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Elizabeth Street

英国ニュースダイジェスト
London隠れ家ストリート「Elizabeth Street SW1」
http://www.news-digest.co.uk/news/london/london-street/south-west/8029-elizabeth-street-sw1.html

Victoria駅からちょっと歩いたところにある、おしゃれな通り。独立系ブティックやこじゃれたレストランが軒を連ねる。この通りは、「女性の活躍する通り」、と言いたい。それぞれのお店は、イギリスでの成功を夢見て、世界各国からやってきた女性たちが、やっと設立した大切な大切なお店たちばかりだった。

Elizabeth Street_e0244905_4265171.jpg



9月8日(木)

生粋のロンドンっ子、ドナさんのジーンズセレクトショップにまず立ち寄る。ステラ・マッカートニーやジェイ・ブランド、ビクトリア・ベッカムなど、いまロンドンで流行っているブランドをくまなくカバーしていた。ドアを開け、レジのお姉さんに声をかけ取材させてもらいたい旨お願いすると、プレスを呼んでくれた。どうやら上階にオフィスがあるらしい。ふわふわの金髪にぴっちりしたジーンズをはいたプレス担当のお姉さんは、早口で手をやたらを動かして忙しそうだったけれど、お店設立の経緯や今シーズンのおすすめ、ジーンズへの思いを語ってくれた。

その隣のブティックも訪ねる。オーナーがいないから何とも言えないとのことなので、名刺と電話番号を渡して一旦辞す。カフタンドレスがメインのようだけれど、かなりお値段が高そうだった。

そしてジュエリーショップ。ここもオーナーに聞いてから、とのことだったけれど、店番のおばさんが相当おしゃべりで、結局、大切なことはほとんど話してくれてしまった。デザイナーへの信頼、それもデザイナーの才能を信じ、心からたくさんの人にこのジュエリーたちを知ってもらいたい、という思いが感じられた。伝説的なラピダリー、ブラジルのブーレ・マルクスについて話を聞く。
見事な技術でアクアマリンなどをカッティッングしてきたブーレ・マルクス氏が亡くなった後、その娘(孫だったかも)さんがある日ベッドの下から大量の宝石を発見する。ブーレ・マルクス氏がカッティングしたものだった。どうにかこの宝石たちを生かしたいと考えた彼女は、ブーレ・マルクス氏の宝石のコレクターだった当デザイナー・キムさんに連絡を取り、これらの宝石を新たなジュエリーとして蘇らせてもらうこととする・・・。
これがこのジュエリーショップに置かれている、アンティークのアクアマリンを組み合わせて豊かな色をハーモニーを生み出したネックレスやブレスレット、イヤリングたちなのである。
写真については後日、改めて撮らせてもらうことにする。最後におばさんがヒョイと「この通りにはジュエラーが3つあるけど、扱うのはうちだけよね?」。抜け目ないな、と脱帽する。

さらに、ドイツ出身のペギーさんによるケーキパーラー。メルヘン色いっぱい。働いている女の子もみんなかわいらしい雰囲気だった。ここではプレス担当の人に案内してもらう。最後にケーキを一切れ購入。


9月9日(金)
昨日行ったブティックが「取材OK」とのことだったので、ブティックからスタート。やはりお値段は相当高いものだったし、デザイナーもかなりファッション界では既に地位を確立できているようだった。テキスタイルのデザインからスタートしたということで、店内のファブリックは統一されて落ち着く空間。最後に著書を見せてもらう。彼女がインスピレーションを受けているものの写真を集めたもの。海辺のパラソルや苔むした木、積まれた丸太の断面など、独特なものが並ぶ。

その後、もうひとつのブティックに寄るつもりだった。そこのデザイナーは、今シーズンのデザインを、日本映画「さくらん」からインスパイアを受けたというニュースを発見したからだ。しかし、一向に開店している様子がない。月曜に開店予定との張り紙がしてあるが、何度も訂正されている。あまりこの路面店は開店していないのかもしれない。取材をあきらめる。

その後、イタリアンレストランで陽気なオーナーたちと会話したり、超ウルトラハイヒールばかりを扱う靴屋さんを廻ったりして順調に進んでいたが、その一方で取材を断られたお店もあった。


9月12日(月)
最後の一軒がなかなか決まらず、ええい、とシンプルな封筒が並べてある文具屋さんへ入る。以前に前を通ったとき、店番のおばさんと配達のおじさんが話し込んでいたのを見かけていた。そのおばさんらしき人に取材をお願いすると、あっさり彼女が「いいわよ。」と言い、妙に豪華な名刺を渡してくれた。なんと、彼女自身がオーナーのヘンリエッタさんであった。
「エングレイビング」という銅板印刷で作成する名刺や便せん、封筒を扱っている。彼女がこのビジネスを始めた経緯を聞く。もともと水彩画の画家を志していた彼女は、家賃を払うためにナイツブリッジあたりの古い本屋でアルバイトをしていたそう。その本屋では本以外にも便せんや封筒を扱っており、それがきっかけで興味を持ち始め、もう一度大学で学び直して、このビジネスを始めたとのこと。
名刺のために彫られた銅板を見せてくれた。手彫りしているので、その勢いがシャープに現れるのが魅力とのこと。このプレートは永久にこのお店に保存するのよ、と彼女は微笑んだ。彼女の顧客リスト代わりなのだろう。
また封筒のデザインに、「チヨガミ」を使っているのよ、といって、千代紙を使った封筒も見せてくれた。

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この通りは新しいお店も多く、3年前に取材されたお店が見つからず、入れ替わりが激しいように感じた。女性の頑張る通り、といっても、競争は激しく、やっと設立したお店を撤退せざるを得なかったケースもあるのだろう。華やかで美しく自信に充ち溢れたサクセスフルな女性たちを見たようにも思ったが、そこは生き馬の目を抜く厳しい社会であることを痛感した。
by tsutsumi_t | 2011-10-13 04:27 | ストリート


バレエ、ダンス全般、建築についてのブログ。


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プロフィール

Tsutsumi

Mechanical engineer / Architect

建築学科を卒業、日本の建築設計事務所で働いた後、2011年に渡英。
バレエやダンス全般の観劇についてここに記しています。

(追記)2013年4月に日本に帰国しました。

(追記)2016年12月に出産しました。観劇はなかなか難しく、ブログの内容が子育てにシフトしてきています。

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