Merce Cunningham Dance Company 『Roaratorio』 2011年10月7日

10月7日(金)にバービカンセンターでマーサ・カニンガム・ダンスカンパニーによる『Roaratorio(1983)』を観た。

歴史的名作の再演とのことだったけれども、どこか見ていて違和感を感じてしまった。
1つ目は、ダンサーたちの手の動きが制限されていて、自由に動かさないこと。
2つ目は、少し悪目立ちするダンサーがいたように思うこと。音と動きがマッチしないためなのか、周りのダンサーの動きを確認しながら踊っているようなダンサーがいたように感じたのだ。結果として、音と動きがギクシャクしているように見えた。

何か期待し過ぎたのかもしれない。

ただ、1つ目の、ダンサーが自由に腕を動かさないというのは、もどかしさを感じるけれども、良い面もあった。1人1人のダンサーがお互いくっついたり離れたりしながら早いスピードで舞台上を動き回る様子がまるで化学で習う「分子」みたいに見えたこと。彼らはそれぞれ違う鮮やかな色の布を身に付けているので、「分子」みたいな球体が舞台上をくるくる動いているように見えたのだ。特に2人ずつ手を繋ぎながら後ろ方向にステップを踏んで下がっていく様子は、バレエなどでは見慣れない動きなので新鮮で、民族舞踊のような陽気さを感じた。
一緒に行ったパートナーは、その動きと色の関係を、「モンドリアン」を舞台上で表現しているのでは?と言っていた。

ガーディアン紙のレビューでは、

"The choreography also throws up patterns and configurations with entrancing ease:"
Judith Mackrell著『Merce Cunningham Dance Company: Roaratorio – reviewBarbican, London』より
guardian紙、2011年10月7日(金)
http://www.guardian.co.uk/stage/2011/oct/07/merce-cunningham-dance-company-roaratoria-review?INTCMP=SRCH

と表現している。"patterns""configurations"をどう訳したらいいのか、よく分からないが、それぞれ”形状””構成”としてみると、それぞれの「分子」たちの配置の”形状”を次々パタパタと変えていく”構成”を見せること、を意図して振付されていると考えればいいだろうか。これは舞台で表現する「モンドリアン」と言ったパートナーの表現によく合っている気がする。
全体的には、スピード感があり、陽気で牧歌的な雰囲気だった。

2つ目の問題は、以前はジョン・ケージが生で詩の朗読と録音した音の再生を行っていたものを、今回は前もって録音された出来上がったスコアを流していたことに起因するだろう。
ジョン・ケージが1992年に亡くなるまで、ジョン・ケージが生で詩の朗読や録音した音の再生をし、ライブ演奏していたのだ。しかし、ジョン・ケージがもう亡くなっている今、ダンサーたちとジョン・ケージの間で一緒に作り上げていたリズムはダンサーたちが音に合わせるしかない。その結果、ダンサーの動きと音の間にあったであろう均衡感は失われ、音に従う動きを見ることになったのだ。
[PR]
by tsutsumi_t | 2011-10-13 06:10 | ダンス


バレエ、ダンス全般、建築についてのブログ。


by Tsutsumi

プロフィールを見る
更新通知を受け取る

カテゴリ

全体
ダンス
ダンス(日本)
演劇
オペラ
ミュージカル
歌舞伎
ストリート
読書
子育て
わたしのこと
未分類

最新の記事

山上憶良をすこしよむ
at 2017-07-26 21:56
百人一首が頭を行き交う
at 2017-07-12 20:59
0か月~2か月の頃はなんだか..
at 2017-07-04 00:01
ショパン
at 2017-04-17 20:50
お裁縫にハマる
at 2016-12-14 16:21

以前の記事

2017年 07月
2017年 04月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 07月
2016年 04月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 02月
2014年 11月
2014年 09月
2014年 07月
2014年 02月
2013年 12月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月

最新のトラックバック

プロフィール

Tsutsumi

Mechanical engineer / Architect

建築学科を卒業、日本の建築設計事務所で働いた後、2011年に渡英。
バレエやダンス全般の観劇についてここに記しています。

(追記)2013年4月に日本に帰国しました。

(追記)2016年12月に出産しました。観劇はなかなか難しく、ブログの内容が子育てにシフトしてきています。

検索

タグ

その他のジャンル

記事ランキング

ブログジャンル

子育て
日々の出来事

ブログパーツ