英国ロイヤルバレエ『Romeo and Juliet(ロミオとジュリエット)』 2012年1月12日

誕生日なので普段よりいい席で見ようと、この日はStallという1階に席を取った。このことが後で幸運な偶然を呼ぶのだが・・・。

Juliet(ジュリエット): Sarah Lamb(サラ・ラム)
Romeo(ロミオ): Federico Bonelli(フェデリコ・ボネリ)
Mercutio(マキューシオ): Alexander Campbell
Tybalt(ティボルト): Gary Avis(ギャリー・エイヴィス)
Benvolio(ベンヴォーリオ): Jonathan Watkins
Paris(パリス): Ryoichi Hirano(平野亮一)


なんといっても振付が秀逸すぎる。すごい。舞台の雰囲気をくるくると変えてしまう。

1幕。始めふざけ半分だったケンカがだんだんと真剣な決闘になっていく様子がまざまざと分かる。以前にO2ドームで見たときは長すぎると思ったこのシーンが、オペラハウスで見れば、十分に場面の空気の変化が楽しめるものだった。
そして舞踏会。このバレエの最大の見せ場だと思う。群舞の威圧的で統一された列と動きに対して、後ろのバルコニーではロミオとジュリエットがまだお互いに気づかないままフラフラと動くのが対照的に浮かび上がる。
その後の夜のバルコニーのシーンも二人の複雑なリフトが美しい。

1幕の見せ場が次から次へと舞台の雰囲気を変えていく。

その反面、2・3幕はつまらない。いや、ジュリエットの芝居の真骨頂はここからだ!って言う人がいるかもしれないけど、正直、2幕以降は物語を進行させる演劇が続くばかりで、1幕で感じたような踊りへの興奮はもう無くなってしまう。

ちなみにマキューシオがティボルトに殺されてしまう場面。ここではハプニングがあったらしい。「らしい」というのは、私は気付かなかったのだ。
旦那が気付いたのは、まず、マキューシオのサーベルが少し壊れたらしい。マキューシオ役のダンサー本人に明らかに「ヤバイ」という様子が見て取れたとのこと。そこから彼がした対策は、サーベルをわざとぞんざいに扱ってさらに壊し、周囲のダンサーたちにこのハプニングを気付かせた。街の人々の役の女性ダンサー1人が、舞台上の乱闘騒ぎの場面の混乱に乗じて、その壊れたサーベルを取り去ってこっそり幕の袖に入り、そして別のサーベルを持ってこっそり戻り、そして、元の場所にそっと戻す。ロミオはその新しいサーベルを持ってティボルトに襲いかかっていく・・・。
これらは本当に私は気付かなかった。しかも旦那によると、場面の後ろの方でも、ティボルトの配下役の別のダンサーが新たなサーベルを両手に持って、さりげなく階段を下りてきていたらしい。
素晴らしいセーフティーネット(笑)。
ハプニングに対応して、この瞬間、新たなサーベルがこっそりと舞台上に3本集まってきたわけですね。

小さい頃読んだシェイクスピアの本では、最後の死体安置所のシーンには、死んだばかりのティボルトの死体もジュリエットの近くに横たえられていた気がする。ふと、バレエにおいても、彼の死体が舞台上にあってもよいかもと思った。パリスも死んで、ロミオもジュリエットも死んで、さらにその場にはティボルトの死体もある方が、若者の死を招いた両家の愚かな反目が強調される気がする。

そして今回もサラ・ラムで見てしまった。なんとなく私には彼女が少し小悪魔っぽく見えるのだけど・・・。少なくとも、物語のバレエを彼女の回で見るのはもういいかな、という気になった。


今回、良い席で観覧したら、自分の前の前の席にロイヤルバレエのバレリーナご本人が座っていた。最初びっくりして、旦那と「話しかけてみようか!?」と盛り上がったけれども、明らかに人目を避けていらっしゃったので、遠慮する。
第一印象は「細っ!」という感じ。すっごくすっごく細かった。そして舞台で見るよりずっと小柄に感じた。そしてもちろんめっちゃキレイな人だった。
たまに良い席で見ると、ラッキーなことも起こるものですね。

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小さい頃から、英国ロイヤルバレエのビデオを良く見ていたので、ロンドンに来てから英国ロイヤルバレエばかりを見てしまっていたけれども、今年はもっと違う劇場に足を運びたいと思っている。というのは、ロイヤルバレエはどうしても現代の振付家の作品が少ない気がするからだ。もちろんトリプル・ビルでたまに見ることができるけれども、例えばサドラーズ・ウェルズ劇場やバービカンで上演されるものの方がずっと面白かった。
今年ももちろんロイヤルオペラハウスにも行くけれど、もっと別の劇場のものや、小さい劇場にも行ってみようと思っている。
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by tsutsumi_t | 2012-01-15 20:38 | ダンス


バレエ、ダンス全般、建築についてのブログ。


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プロフィール

Tsutsumi

Mechanical engineer / Architect

建築学科を卒業、日本の建築設計事務所で働いた後、2011年に渡英。
バレエやダンス全般の観劇についてここに記しています。

(追記)2013年4月に日本に帰国しました。

(追記)2016年12月に出産しました。観劇はなかなか難しく、ブログの内容が子育てにシフトしてきています。

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