『Dance GB』 2012年7月7日

ロンドンでオリンピックが開催されることにちなみ、五輪にインスパイアされた作品を、イングランド,ウェールズ,スコットランド、それぞれの3つのダンスカンパニーが上演した。

And the Earth Shall Bear Again : English National Ballet(イングリッシュ・ナショナル・バレエ)
Dream : National Dance Company Wales(ナショナル・ダンス・カンパニー・ウェールズ)
Run For It : Scottish Ballet(スコティッシュ・バレエ)

グリニッジにあるOld Royal Naval College(旧王立海軍学校)の庭に大きな仮設テントが立てられ、その中で上演された。床に体育座りしてパフォーマンスを見る。
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イングランド代表のイングリッシュ・ナショナル・バレエと、スコットランド代表のスコティッシュ・バレエは、どちらもスマートな印象のコンテンポラリー・ダンスに、オリンピックらしき動き(アーチェリーっぽい動きとか、走り幅跳びっぽい動きとか・・・)をちょこっと取り入れた感じのダンスだった。
イングリッシュ・ナショナル・バレエが用いた音楽はジョン・ケージ。
スコティッシュ・バレエの舞台デザインはターナー賞受賞者のマーティン・ボイス。
それぞれにきれいなダンスではあったけれど、テーマのはずの『オリンピック』は、振付家にとっては正直邪魔なテーマだったのだろう、と思った。オリンピックらしき動きは必ずしも無くてはならない動きではなさそうだった。


異色で目立ったのはウェールズ代表。
代表するナショナル・ダンス・カンパニー・ウェールズは、そもそもバレエ団ではなく、ダンスカンパニーだ。『オリンピック』というテーマをコミカルに演出してみせた。

子供の運動会で奮闘するスーツ姿のお父さんやワンピース姿のお母さん。借り物競走や騎馬戦に熱中するうちに、どこからともなく、ボレロの曲が・・・。お父さんお母さんたちの姿はいつの間にかオリンピック選手の姿になり、世界一を目指してしのぎを削るアスリートの姿が描かれる。様々な競技の姿がコミカルにキッチュに踊られ、ボレロの曲が盛り上がるにつれて、長い五輪の歴史における感動の名場面が観客の胸に想起される。ボレロが最高潮に達し、勝利の喜びが舞台に充ち溢れた・・・と思ったら、いつの間にか場面は元の運動会に。スーツ姿のお父さんとワンピース姿のお母さんたちの一瞬の夢であったことが分かる。という筋書き。

オリンピックの各種目をうまく形態模写したダンスは、観客が大笑いしてしまうほど納得のいく可笑しさだった。そして、この夢が小さい頃の自分の胸に一度は浮かんだ夢であることにみな気付かされ、ちょっぴりホロリとなるのだ。
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by tsutsumi_t | 2012-07-15 08:22 | ダンス


バレエ、ダンス全般、建築についてのブログ。


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Tsutsumi

Mechanical engineer / Architect

建築学科を卒業、日本の建築設計事務所で働いた後、2011年に渡英。
バレエやダンス全般の観劇についてここに記しています。

(追記)2013年4月に日本に帰国しました。

(追記)2016年12月に出産しました。観劇はなかなか難しく、ブログの内容が子育てにシフトしてきています。

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