『The Magistrate』 2012年12月10日

National Theatreでヴィクトリア朝のロンドンにおける治安判事(a magistrate)の一家に起こった騒動を描いた劇『The Magistrate』を、タケさんに誘っていただいて見た。

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(あらすじ)
ポスケイト家の息子シス・ファリンドンくんがピアノ教師にちょっかいをかけている。14歳にしてはマセている彼。実は母が再婚時に年齢を5歳サバ読みしたのに伴い、連れ子であった彼も5歳サバ読むことになったのであり、本当は19歳なのである。19歳の男の子らしく、彼の専らの興味は、競馬、ギャンブル、タバコ、酒、そして女。
母アガサの再婚相手であるポスケイト氏は、街の風紀を取り締まるマジストレイト(治安判事)。真面目な彼は、妻の連れ子であるシス・ファリンドンくんが夜遊びに出掛けるのを阻止できず、心配で一緒についてってしまう・・・。

一幕は家の中。二幕はホテルの一室(社交クラブみたいなとこ?)。三幕はポスケイト氏の職場である判事の裁判所。そして最後に家の中。

ビクトリア朝当時のロンドンでは、街の風紀を取り締まっていたマジストレイト(治安判事)の元には、暴行事件、酔っ払い、迷惑行為、泥棒、ギャンブルなどなど、日常茶飯事の事件が持ち込まれ、マジストレイトが罰金を科したりして裁いていたらしい。
倫理観が求められるマジストレイトは、ジェントルマンに連なる(労働してるからジェントルマンとは言えないかな?)比較的余裕のある裕福な中流階級の市民だったのではないかと思われる。

マジストレイトが扱っていた案件の中には、夜遅くまで違法に営業した店に対する処罰もあったそうだ。
今回、ポスケイト氏は、妻の連れ子である息子にくっついて違法に遅くまで営業している社交クラブに足を踏み入れ、自らが検挙にひっかかってしまい、息子と一緒に逃げ出したものの、翌日、その事件が自分の元に持ち込まれてしまうわけである。
社会的地位を気にするポスケイト氏が、それをかなぐり捨てて、妻の連れ子を助けようとすることで、妻および息子への愛を再確認し、妻が夫を助けるために正直になることでキレイにオチも付き、全てが丸く収まる。

ビクトリア朝の時代、急成長しているロンドンの活気とその混乱ぶり、そして中流の市民が元気で大衆文化が栄えたらしい様子が少し伝わってきて面白い。


舞台を見ると、いつも英語がほとんど分からなくて困るんだけど、今回は俳優さんのしゃべり方がとてもキレイで伝わりやすく、英語が分からなくても耳に心地よかった。

あとは、「心の中のぼやきを観客に向かってしゃべる」、というのがちょっと新鮮だった。
バレエだとパ・ド・ドゥになれば、わりと頻繁に観客の方を向いて踊っているわけで、「観客の方を向く」というのは自然なことなのだけど、よくよく考えてみれば、芝居の中の登場人物が「観客の方を向いて」いるのは本当は不自然なのである。テレビドラマだってカメラ目線にはならないものね。
観客に向かってぼやくことで、あ、ジョーク来るって分かって、こっちもすぐに笑う体勢に入れるし、コメディーなんだなっていうのが伝わりやすいと思った。
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by tsutsumi_t | 2012-12-15 00:08 | 演劇


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プロフィール

Tsutsumi

Mechanical engineer / Architect

建築学科を卒業、日本の建築設計事務所で働いた後、2011年に渡英。
バレエやダンス全般の観劇についてここに記しています。

(追記)2013年4月に日本に帰国しました。

(追記)2016年12月に出産しました。観劇はなかなか難しく、ブログの内容が子育てにシフトしてきています。

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