cinema: 『THE NUTCRAKER』 2012年12月13日

ロイヤルオペラハウスが公演を世界中(日本含む)にライブ中継するRoyal Opera House Cinema。今回はクリスマス目前の英国ロイヤルバレエ『THE NUTCRACKER(くるみ割り人形)』。旦那さんと一緒に映画館Curzon Mayfairで見た。

THE SUGAR PLUM FAIRY(金平糖の精): Roberta Marquez(ロベルタ・マルケス)
THE PRINCE(王子): Steven McRae(スティーブン・マックレー)
HERR DROSSELMEYER(ドロッセルマイヤーおじさん): Gary Avis(ギャリー・エイヴィス)
CLARA(クララ): Meaghan Grace Hinkis(ミーガン=グレイス・ヒンキス)
HANS-PETER/THE NUTCRACKER(ハンス‐ピーター/くるみ割り人形): Ricardo Cervera(リカルド・セルヴェラ)

映画館の映像はやはり細かいところまで見える、というのが利点。例えば、クリスマス・パーティーの客たちの細かい芝居。お母さんが小姑とあまりうまくいってないことがチラリと分かったりして面白かった。(舞台を生で見ると、ここまでは(※私が買うような席からでは)見えないのだ。)
逆に、映像で見る欠点は、舞台全体が見えないせいか、ダンスが醸し出すちょっとした可笑しさで笑いが起こるようなシーンに、意外にも反応できなかったりする。これはその場にいないと分からなそう。


見終わった後、旦那さんに聞いてみた。

私:「ねぇ、クララの子、どうだった?」

ネット上によくある映像では、クララをコジョカル、金平糖を吉田都さんが踊ったバージョンが出回ってて、これはすごいハマり役なので我々の中では一種のベンチマークになっているのだ。BBCがときどき流すバレエの映像もこれだったりする。それと比べると、

旦那:「う~ん、なんか・・・アメリカンな感じ?クララもくるみ割り人形もディズニーアニメに出てそうな感じだったよね。」

旦那さんのこのセリフは、私がモヤモヤっと感じた印象をピタリと言い表していたので、あまりに的を得た答えにビックリしてしまった。
今回のヒンキス(クララ)&セルヴェラ(くるみ割り人形)の大きな目と大きくにっこりと開く口、くっきりした笑顔、これらは旦那さんにとっては、ディズニーのステレオタイプなプリンセス&プリンスに見えてしまったらしい。
まぁ好みの問題だけど、私も同感。かわいいけどね・・・。


花のワルツのバラの精、ラウラ・モレラが素敵だった。
彼女が出ると「う~ん、イイ!」といっつも思う。
さすがベテランというか、きっと彼女は舞台と周りのダンサーの配置や動きなど全て完璧に掌握していて、舞台上にある全てを彼女が支配してしまうパワーがある。けっして自分から相手のダンサーを迎えにいってしまうことはなく、常に落ち着いて、周りのダンサーが彼女を迎えに来る。

モレラはプリンシパルだけど、主役ではあまり見かけない。
古典の演目では、例えば『白鳥の湖』では”ナポリ”、『眠りの森の美女』では”青い鳥”、など踊ったりしているのだけど、主役以上に強く印象に残る。(※英国ロイヤルバレエの『白鳥の湖』は、”ナポリ”の部分だけ、プティパ=イワノフの振付ではなく、アシュトンが独自に振付したものを用いているので、ロイヤルでは特別な役なのだ。)
独特の存在感、カリスマを持っているダンサーだ。


なお、今シーズンの金平糖には、日本人女性ダンサーが全てエントリーされている。ユフィさん、小林さん、高田さん、そしてケガで降板したカスバートソンの代役で金子さん。在英日本人としては日本人の活躍が嬉しい。吉田都さんが当たり役だったからなのかな?何か日本人的なものがこの役にハマるんだろうか?
金子さんとキッシュのリハーサル風景がここで見られる。




余談。
何度も見た演目だと、主役以外で出演しているダンサーが気になる。モレラしかり。
ロイヤルバレエの公演を見に行くと、我々の間ではこんな会話がよく交わされる。

「今日もマキューシオ、いたね~。」

これはAlexander Campbell(アレクサンダー・キャンベル)のことで、彼はファースト・ソリストなのだが、『ロミオとジュリエット』でしょっちゅうマキューシオを演じていて、その不遜な雰囲気がよく似合っていたので、すごく記憶に残ったのだ。公演を見に行くと、毎回何らかの主要な役で出ている。あまり背の高いダンサーではないのだけど、そのお陰なのか、旋回技や跳躍技に長けている。きっと王子役はやらなさそうだけど・・・。
彼のあだ名を”マキューシオ”と我々が勝手に名付けているのだ。
ついでに、Bennet Gartside(ベネット・ガートサイド)のことはもちろん”ティボルト”と呼んでいる。彼も毎回何らかの主要な役で出ていることが多いが、同様に彼も王子役はやらなさそう・・・。

そう考えると、王子役をできるダンサーというのはかなり正統派でないといけないのだ。モレラがあまり主役を踊らないのと似ている。カラーが色濃く出ているダンサーには、王子役&プリンセス役というのは似合わないものなのかもしれない。
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by tsutsumi_t | 2012-12-19 01:16 | ダンス


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Tsutsumi

Mechanical engineer / Architect

建築学科を卒業、日本の建築設計事務所で働いた後、2011年に渡英。
バレエやダンス全般の観劇についてここに記しています。

(追記)2013年4月に日本に帰国しました。

(追記)2016年12月に出産しました。観劇はなかなか難しく、ブログの内容が子育てにシフトしてきています。

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