英国ロイヤルバレエ『THE FIREBIRD / IN THE NIGHT / RAYMONDA ACT III』 2013年1月9日

2013年になりました!新年あけましておめでとうございます。
ロイヤルオペラハウスにて、英国ロイヤルバレエのトリプルビル『THE FIREBIRD / IN THE NIGHT / RAYMONDA ACT III』を旦那さんと観ました。


『THE FIREBIRD(火の鳥)』 振付:ミハイル・フォーキン

1910年にバレエ・リュスが、ストラヴィンスキーに音楽、フォーキンに振付・台本を依頼し、パリで初演した歴史的作品。
その後、様々なカンパニーがそれぞれ独自の『火の鳥』を制作しているけれども、英国ロイヤルバレエでは1954年からオリジナル版を比較的忠実に再現して上演している。

THE FIREBIRD(火の鳥): Mara Galeazzi(マーラ・ガレアッツィ)
IVAN TSAREVICH(イワン王子): Edward Watson(エドワード・ワトソン)
THE BEAUTIFUL TSAREVNA(美しい王女): Christina Arestis
THE IMMORTAL KOSTCHEI(魔王カスチェイ): Alastair Marriott

東欧ロシアの暗い雰囲気がよく出ていた。
囚われている13人の王女たちが木になっているリンゴを採って遊ぶシーンや、魔王カスチェイの不気味な手下たちがイワンを追い詰めるシーン、王女たちや手下たちが火の鳥の魔法で眠ってしまうシーン、そういった群舞の動きが、普段目にしているバレエのボキャブラリーからはずれていて面白かった。また、同じ姿をした大勢のダンサーが連なって同じ姿勢で静止したりする様もまたドキッとするほど異様で妖しい雰囲気を醸し出していた。
私には、火の鳥やイワン、カスチェイよりも、そうした群舞の動きがとても魅力的に見えた。『春の祭典』のような迫りくるパワーや『結婚』のような息苦しさまでは感じなかったけれども、それらに類するロシア独特の群舞の力強い表現が『火の鳥』にもあった。


『IN THE NIGHT』 振付:ジェローム・ロビンス

ロビンスというと、『ウェスト・サイド・ストーリー』(この振付、名作ですよね~)や『王様と私』のようなミュージカル作品での活躍の方が際立っているけれども、彼のバックグラウンドはバレエなのである。ロビンスの活動拠点はもちろんアメリカ。
この作品は1970年のニューヨーク・シティ・バレエのために制作された。

Emma Maguire(エマ・マグワイア)/ Alexander Campbell(アレクサンダー・キャンベル)
Zenaida Yanowsky(ゼナイダ・ヤノウスキー)/ Nehemiah Kish(ネマイア・キッシュ)
Roberta Marquez(ロベルタ・マルケス)/ Carlos Acosta(カルロス・アコスタ)

ショパンのピアノに載せた、3組の恋人たちの情景。
特にストーリーは無く、1組ずつパ・ド・ドゥがあった後、3組が舞台上で一瞬交錯する。
私の想像では、同じカップルの時を経た姿なんじゃないかなぁ。けっこう良かった。
フレッシュなマグワイア&キャンベル組。穏やかなヤノウスキー&キッシュ組。情熱的なマルケス&アコスタ組。マグワイアが爽やかで良かった。


『RAYMONDA ACT III(ライモンダ 第3幕)』 原振付:マリウス・プティパ, 改訂振付:ルドルフ・ヌレエフ

今や歴史上の巨匠プティパが1898年に制作した全幕バレエを、ヌレエフが1966年にロイヤルバレエに持ち込んで改訂し、フィナーレの第3幕だけ抜粋して上演している。
フィナーレとなる第3幕が純粋なダンスとして観て楽しい。最終幕が物語に全く関係ないというのは、ある意味プティパ作品の王道で、『ライモンダ』が大抵第3幕しか上演されないのは、正直ストーリーがつまんないからである。

RAYMONDA(ライモンダ): Alina Cojocaru(アリーナ・コジョカル)
JEAN DE BRIENNE(ジャン・ド・ブリエンヌ): Steven McRae(スティーブン・マックレー)

YouTubeで見られるギエムの伝説とも言えそうなパフォーマンスがあまりに美しいので、コジョカルはどうなのかなぁとちょっと不安だった。でも二人それぞれで、例えて言うなら、ギエムのパフォーマンスが周りを寄せ付けない鋭い閃光のようであれば、コジョカルのは慎ましやかな中にチラリチラリと隠れた煌めきがこぼれるようなパフォーマンスだった。

なお、『ライモンダ』を見ると、改めて『IN THE NIGHT』がクラシックから相当時代が現代に近づいているんだと感じた。『IN THE NIGHT』で見る動きはちょっとショービズ界の匂いがする。
そして、『ライモンダ』を見て、見慣れた動きにホッとするのは、日本のバレエ教育がプティパのバレエ作品に馴染み過ぎてるからなんだろうか。

以下はギエムのライモンダのヴァリエーション。


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by tsutsumi_t | 2013-01-11 01:38 | ダンス


バレエ、ダンス全般、建築についてのブログ。


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プロフィール

Tsutsumi

Mechanical engineer / Architect

建築学科を卒業、日本の建築設計事務所で働いた後、2011年に渡英。
バレエやダンス全般の観劇についてここに記しています。

(追記)2013年4月に日本に帰国しました。

(追記)2016年12月に出産しました。観劇はなかなか難しく、ブログの内容が子育てにシフトしてきています。

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