マシュー・ボーン 『ドリアン・グレイ』 2013年7月13日マチネ

e0244905_039466.jpg友人たちと一緒にマシュー・ボーンの『ドリアン・グレイ』を見に行ってきました。
もともとは、出張で行けなくなってしまったチケットを会社の友人に譲ったところ、出張を早めに切り上げることができて自分も行けることになったので、そのチケットは日本に一時帰国中のタケさんに譲り、会社の友人と自分用に新たにペアチケットを購入。3人で観ることになりました。

初演はだいぶ前2008年のロンドン。当時、ロンドンで初演を観たダンナさんから感想を聞いていたので、だいたいの設定やダンスの雰囲気は把握していました。
今回は日本人キャストとUKキャストのダブルキャスト。日本で観るならぜひ日本人キャストで観てみたい!と思い、あえて日本人キャストを日時を選びました。


オスカー・ワイルド作『ドリアン・グレイの肖像』の現代版。現代への読み換えはマシュー・ボーンの常套手段であり、過去の作品群も古典作品を現代に読み換えたものがほとんどです。
今回は、ドリアンの肖像を描いた画家バジルは写真家へ代わり、肖像画は写真へと代わり、パトロンのヘンリー卿はモデルエージェンシーの社長らしきレディHへ、ドリアンが恋した女優のシビルは男性ダンサーのシリルへと代わっていました。

ドリアン: 大貫勇輔
バジル: 鈴木陽平
レディH: 皆川まゆむ
シリル: 大野幸人

ドリアンとバジルが無邪気に踊るシーンはなかなか楽しく見ることができました。
特に、作品の中で、バジルはかなり丁寧に描かれていると思いました。ドリアンの恋人であり、悪友であり、ドリアンが唯一心を許したバジルは、ドリアンに残された最後の良心といえる。そのバジルを手にかけたとき、ドリアンはもはや改心することが不可能になり、破滅へ急降下していってしまう。
バジルとの関係は全体の流れを通して感情豊かに描かれているので、そのときそのときのバジルの気持ちを汲み取りながら、作品を理解していくことができました。

しかし、ドリアンの描かれ方はわりと単調で、彼の内面をダンスから辿るのは難しい気がしました。
天狗になり、悪人になり、破滅する、程度のストーリーは分かるけれども、彼のナルシシズムや老いへの嫌悪・恐怖はあまり伝わってこない。特に男性ダンサー・シビルとのダンスは、前後のドリアンとの繋がりが感じられませんでした。なぜドリアンはシリルに恋するのか?なぜドリアンはシリルに興味を失くすのか?原作を読んだ人は知っているけれども、ダンスからは読み取りにくいと感じました。

また、全体的にダンスがどれもセクシーでショッキングな雰囲気に作られていて、最初のうちはいいけれども、ずっと観ていると、どの場面もあまり変わり映えしないのも問題点です。

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オーチャードホールの入りはまあまあ。一階席でも空席がかなり残っていました。
純粋なバレエまたはコンテンポラリー・ダンスでもなく、セリフのある演劇やミュージカルでもない。イギリスでは何も抵抗を感じなかったマシュー・ボーンも、日本に来日してみると立ち位置が何とも中途半端。プロモーションする側もかなり頭を悩ましたのではないでしょうか?
また、「白鳥の湖」を知らない人はいませんが、オスカー・ワイルドの「ドリアン・グレイの肖像」はそこまで浸透していないことを考えると、日本のオーチャードホールでやるには異色すぎたのではないでしょうか?
もう少し小さい劇場でもう少し安い値段で見たかったです。そしたらUKキャストとJPキャストを見比べるために、二日間チケット取ったりしたかも。
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by tsutsumi_t | 2013-07-16 00:41 | ダンス(日本)


バレエ、ダンス全般、建築についてのブログ。


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Tsutsumi

Mechanical engineer / Architect

建築学科を卒業、日本の建築設計事務所で働いた後、2011年に渡英。
バレエやダンス全般の観劇についてここに記しています。

(追記)2013年4月に日本に帰国しました。

(追記)2016年12月に出産しました。観劇はなかなか難しく、ブログの内容が子育てにシフトしてきています。

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