English National Ballet 『Lest We Forget』 2014年4月4日

だいぶ前になるのですが、3月末から4月の初めにかけて、ロンドンから本帰国するだんなさんに合わせて、ロンドン〜サントリーニ島〜アテネ〜ロンドン~ドバイと旅行してきました。

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サントリーニ島はまだ観光客が少なく、町のあちこちで石を積んだり白いペンキを塗ったり、来る旅行シーズンに向けて準備中でした。静かな町を散歩したり、地元のお酒を飲んだりしながら、日の入りの時間を待ち、そして島から突き出た昔の要塞跡から夕日を眺めました。
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昔読んだ、バーナード・ルドフスキーの『建築家なしの建築』に出てきた、白い岩の住居群。いつか訪れたいと思っていたので、バスから見えた島の頂上に、本に出てきたのと同じようなギザギザと見える白い四角の群れが見えたときは、少し胸が熱くなりました。
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東欧を訪れたのは初めてです。空から見えたギリシャは、こうした岩からできているようなキューブ状の住居でびっしりと埋め尽くされており、それらの建物の乾いた質感は、この土地が砂漠の国へと続いていることを強く感じさせてくれました。

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アテネを観光した後、ロンドンに戻り、ロンドン最後の晩は大好きだったバービカンセンターで、English National Balletの『Lest We Forget』を旦那さんと一緒に観てきました。
芸術監督のタマラ・ロホが4人の振付家に同じテーマ「戦争」で作品を依頼し、舞台を構成したオムニバス公演です。
ホワイエには、バーカウンターで談笑する私服姿のロイヤルバレエのダンサーたちの姿も。公演を観に来た様子で、休憩時間にはロホ自身が彼らのところにきて、話しかけたりしていました。


No Man’s Land
振付:Liam Scarlett(リアム・スカーレット)

Firebird
振付: George Willianson(ジョージ・ウィリアムソン)

Second Breath
振付:Russell Maliphant(ラッセル・マリファント)

Dust
振付:Akram Khan(アクラム・カーン)


公演に先立って、芸術監督のタマラ・ロホ、振付家の一人アクラム・カーン、衣装デザイナーや作曲家、舞台美術の担当者たちによるディスカッション(聞き役はガーディアン紙の批評家ルーク・ジェニングス氏)を聞くことができました。

オムニバス形式の公演を、期待する4人の振付家たちにテーマを与えて、制作していく過程で、ロホが4人の個性強い振付家たちをコントロールするのにいかに苦労したか、誰かのアイディアが他の振付家のアイディアをかぶっていないか、もしかぶりそうだったら、さりげなく別の路線を振付家に提示したり、時には「もう他の人がそれはやってるのよ!」と暴露したり、様々トラブルを乗り越えて、3つのワールド・プレミアを含む4つの作品群をオムニバス公演として実現したか、語られました。
確かに自己主張の強そうな振付家を操るのは容易ではなさそうです。(そもそも幾つかの作品は「戦争」がテーマなのか、ちょっと怪しかったし。)

実は、これらについて詳しい感想を書きたいところなのですが、時差ボケもあって、一番注目していたアクラム・カーンの作品のところでうっかり眠ってしまうという失態(泣)!!!

スカーレットの作品は、ロイヤルからENBに移籍していたコジョカルが出演していました。戦争のストーリーや時代背景を具体的に表現したもので、美しいパ・ド・ドゥや男女ペアが何組も並んで踊る美しい構成でした。しかし、やはり「説明し過ぎ」な感もあり・・・。スカーレットの物語バレエは、いつも詰め込み過ぎで具体なモチーフに頼りすぎているところが残念です。ストーリーの無いバレエだとすごく美しいのに・・・。

「Firebird」は以前のENBの公演「Beyond Ballet Russes」で上演されたものを、改良したものでした。人間の純粋さと欲望をテーマにした分かりやすいストーリーになっていて、バレエの題材として成功しているなぁと感じました。振付家のウィリアムソンはまだ20代前半くらい?のとても若いダンサー。彼自身の話として、パーティーでロホに会ったときに、その場の話題がこのFirebirdの話になって思い切って「「僕がその振付家なんです」と言ったら、ロホは大笑いしたんだ。」と話しているエピソードが紹介されていました。なんとなくロホの豪快な笑いが想像できて、また、厳しいダイレクターが若いダンサーたちにチャンスを与えている場面が想像できて、素敵なエピソードだと思いました。

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さて、もう旅行してから数ヶ月経ち、日本でのだんなさんとの生活もすっかり馴染んで、ずっと前から日本にいたような気分です。ロンドンで出会った友人たちも何人も帰国してきて、東京で集まったりしています。ロンドンにいた時間は本当に長い人生の中で見たら一瞬のことのようですが、こうして友人との付き合いはずっと続けていきたいなと強く思っています。
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by tsutsumi_t | 2014-07-13 23:25 | ダンス


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プロフィール

Tsutsumi

Mechanical engineer / Architect

建築学科を卒業、日本の建築設計事務所で働いた後、2011年に渡英。
バレエやダンス全般の観劇についてここに記しています。

(追記)2013年4月に日本に帰国しました。

(追記)2016年12月に出産しました。観劇はなかなか難しく、ブログの内容が子育てにシフトしてきています。

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