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『バレエ・アステラス2013』 2013年7月21日

文化庁委託事業として、公募で選ばれた海外で活躍する日本人バレエダンサーが集うガラ公演。
世界各地のカンパニーで踊る日本人ダンサー、新国立劇場バレエ研修所修了生、そしてゲストとしてカザフスタン・アマルティ舞踊学校の研修生たちがそれぞれ小品を披露した舞台を見た。

まずは新国立劇場バレエ研修所修了生・研修生によるフラメンコ。
そしてカザフスタン・アマルティ舞踊学校の研修生による、クラシック・バレエ、カザフの民族舞踊、そしてコンテンポラリー・ダンスが披露された。
カザフスタンのコンテンポラリー・ダンスは砂漠を駆け抜ける陣風のような勢いがあり、跳ねあげた足を曲げて飛ぶジャンプはどことなくコサック・ダンスに近いような草原の民族の雰囲気を感じた。土地を強く感じさせるダンスをクラシック・バレエと組み合わせる試みに好感を持った。
新国立劇場バレエ研修所のフラメンコも民族舞踊を意識した華やかで情熱的なものだったのだけれども、これはそのままフラメンコを学んで披露したような、まるで発表会のような印象で、少々残念だった。


海外で活躍する日本人ダンサーとしては、

唐沢秀子(バレエ・メンフィス)
小笠原由紀(ドレスデン・ゼンパーオーパー・バレエ団)
海老原由佳(ポーランド国立歌劇場バレエ団)
寺田翠・大川航矢(ウクライナ国立オデッサ歌劇場バレエ)
オニール八菜(パリ・オペラ座バレエ)
佐久間奈緒(バーミンガム・ロイヤル・バレエ)
高橋絵里奈(イングリッシュ・ナショナル・バレエ)


新国立劇場バレエからは、

寺田亜沙子・奥村康祐
堀口純・貝川鐵夫


注目するのは、やはりパリ・オペラ座バレエに正式団員として契約されたばかりのオニール八菜さんでしょうか。眠れる森の美女の三幕のグラン・パ・ド・ドゥをパリ・オペラ座バレエの男性ダンサーと一緒に踊っていました。パートナーと踊るときよりも、ソロの方がずっと見ごたえがあるように感じました。容姿がとても美しくて、堂々としていて、今後が楽しみですね。

さすがの成熟したベテランの技量を感じたのは、佐久間奈緒&ツァオ・チー組。バランシンの「タランテラ」を陽気に踊り、特にツァオ・チーの何かと挑発的なダンスを楽しくリズムを取りながら見ることができました。
そして、観客を引き込むプロフェッショナルな舞台を見せてくれた高橋絵里奈&アリオネル・ヴァーガス組。「黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥ」を踊りましたが、他のどのダンサーたちよりも感情表現豊かな舞台でした。


観客席には、バレエ教室の先生たちや生徒さんたち、そして出演者の関係者などが多かったようでした。海外で活躍するダンサーたちはなかなか見ることがかないませんが、こうしてガラ公演として見ると、活躍してらっしゃる国の特色が、プログラムからスタイルから色濃く感じられて面白いですね。
その一方で、共通する日本人らしさがあるのだったら、それを見出してみたいです。

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余談ですが、アリーナ・コジョカル。
なんとイングリッシュ・ナショナル・バレエに移籍とは、思いもよりませんでした。辣腕をふるうロホ…。きっと来シーズンから、イングリッシュ・ナショナル・バレエの動員数増えますね。ダンナもENBのチケットをさっそく買うと言ってるし…。
そして、コジョカルは誰と踊るんでしょう?ガーディアン紙にはENBには「ムンタギロフ以外に、コジョカルと対等に踊れる男性ダンサーはいない」なんて書かれてましたが…。
by tsutsumi_t | 2013-07-23 23:22 | ダンス(日本)

マシュー・ボーン 『ドリアン・グレイ』 2013年7月13日マチネ

e0244905_039466.jpg友人たちと一緒にマシュー・ボーンの『ドリアン・グレイ』を見に行ってきました。
もともとは、出張で行けなくなってしまったチケットを会社の友人に譲ったところ、出張を早めに切り上げることができて自分も行けることになったので、そのチケットは日本に一時帰国中のタケさんに譲り、会社の友人と自分用に新たにペアチケットを購入。3人で観ることになりました。

初演はだいぶ前2008年のロンドン。当時、ロンドンで初演を観たダンナさんから感想を聞いていたので、だいたいの設定やダンスの雰囲気は把握していました。
今回は日本人キャストとUKキャストのダブルキャスト。日本で観るならぜひ日本人キャストで観てみたい!と思い、あえて日本人キャストを日時を選びました。


オスカー・ワイルド作『ドリアン・グレイの肖像』の現代版。現代への読み換えはマシュー・ボーンの常套手段であり、過去の作品群も古典作品を現代に読み換えたものがほとんどです。
今回は、ドリアンの肖像を描いた画家バジルは写真家へ代わり、肖像画は写真へと代わり、パトロンのヘンリー卿はモデルエージェンシーの社長らしきレディHへ、ドリアンが恋した女優のシビルは男性ダンサーのシリルへと代わっていました。

ドリアン: 大貫勇輔
バジル: 鈴木陽平
レディH: 皆川まゆむ
シリル: 大野幸人

ドリアンとバジルが無邪気に踊るシーンはなかなか楽しく見ることができました。
特に、作品の中で、バジルはかなり丁寧に描かれていると思いました。ドリアンの恋人であり、悪友であり、ドリアンが唯一心を許したバジルは、ドリアンに残された最後の良心といえる。そのバジルを手にかけたとき、ドリアンはもはや改心することが不可能になり、破滅へ急降下していってしまう。
バジルとの関係は全体の流れを通して感情豊かに描かれているので、そのときそのときのバジルの気持ちを汲み取りながら、作品を理解していくことができました。

しかし、ドリアンの描かれ方はわりと単調で、彼の内面をダンスから辿るのは難しい気がしました。
天狗になり、悪人になり、破滅する、程度のストーリーは分かるけれども、彼のナルシシズムや老いへの嫌悪・恐怖はあまり伝わってこない。特に男性ダンサー・シビルとのダンスは、前後のドリアンとの繋がりが感じられませんでした。なぜドリアンはシリルに恋するのか?なぜドリアンはシリルに興味を失くすのか?原作を読んだ人は知っているけれども、ダンスからは読み取りにくいと感じました。

また、全体的にダンスがどれもセクシーでショッキングな雰囲気に作られていて、最初のうちはいいけれども、ずっと観ていると、どの場面もあまり変わり映えしないのも問題点です。

----------------

オーチャードホールの入りはまあまあ。一階席でも空席がかなり残っていました。
純粋なバレエまたはコンテンポラリー・ダンスでもなく、セリフのある演劇やミュージカルでもない。イギリスでは何も抵抗を感じなかったマシュー・ボーンも、日本に来日してみると立ち位置が何とも中途半端。プロモーションする側もかなり頭を悩ましたのではないでしょうか?
また、「白鳥の湖」を知らない人はいませんが、オスカー・ワイルドの「ドリアン・グレイの肖像」はそこまで浸透していないことを考えると、日本のオーチャードホールでやるには異色すぎたのではないでしょうか?
もう少し小さい劇場でもう少し安い値段で見たかったです。そしたらUKキャストとJPキャストを見比べるために、二日間チケット取ったりしたかも。
by tsutsumi_t | 2013-07-16 00:41 | ダンス(日本)


バレエ、ダンス全般、建築についてのブログ。


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プロフィール

Tsutsumi

Mechanical engineer / Architect

建築学科を卒業、日本の建築設計事務所で働いた後、2011年に渡英。
バレエやダンス全般の観劇についてここに記しています。

(追記)2013年4月に日本に帰国しました。

(追記)2016年12月に出産しました。観劇はなかなか難しく、ブログの内容が子育てにシフトしてきています。

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